外部言語連携
このガイドは今回で最終回です。最後に、VCSSLから他言語のコードを実行する方法についてまとめます。
実行形式のプログラムを実行する(標準入出力のやり取りも可能)
単体で実行できるプログラムについては、exec関数を使ってVCSSLからも実行できます:
上の例では、VCSSLプログラムと同じ場所にある、何らかの言語で開発されたプログラム「test.exe」を、コマンドライン引数「aaa」「bbb」「ccc」を渡して実行します。
exec関数は、基本的に処理をそのままオペレーティングシステムに依頼します。 第一引数には実行対象のプログラムを指定しますが、実行時にシステムのカレントディレクトリがどこになっているかは、環境や処理系に依存するため、絶対パスで指定するのが無難です。 第二引数以降(可変長)は、実行するプログラムに渡すコマンドライン引数を指定します。
なお、execの実行はバックグラウンドであり、非同期です。処理が完了するまで待機したい場合はsystem関数を使用します:
さらに、標準ライブラリのProcessライブラリを使用すれば、実行したプログラムと標準入出力でやり取りするなど、より高度なプロセス制御を行う事もできます。 上手く活用すれば、C/C++などで開発した標準入出力ベースのプログラムに、VCSSLでGUI部分や可視化部分を作るなどの使い道もあるかもしれません。
Javaの処理を呼ぶ(GPCIインターフェイス)
現在のVCSSL処理系はJava言語で開発しているため、Java言語用のプラグイン・インターフェイスがあります。 現状、JavaからVCSSLを呼ぶことはできません。VCSSLからJavaを呼ぶのみです。
ここでは GeneralProcessConnectionInterface (GPCI) というインターフェイスを使ってみます。 まずは、以下のリンクを右クリックして「 対象をファイルに保存 」や「 名前を付けてリンク先を保存 」などを選択し、ダウンロードします。
このファイル「 GeneralProcessConnectionInterface.java 」はJava言語で書かれたインターフェイスで、内容は以下の通りです:
― GeneralProcessConnectionInterface.java ―
これをコンパイルし、続いて以下の例のように実装します:― TestPlugin.java ―
これをコンパイルし、プラグインTestPlugin.classを作成します。 プラグインは複数併用できますが、それらを読み込むクラスローダの唯一性は保証されず、Singletonパターンなどの使用には注意が必要です。 同一インスタンスを共有する処理は、同一プラグイン内にまとめる必要があります。
さて、上のプラグインは、引数をdoubleとして加算して返す「___add」関数を提供します(ただしプラグイン側は引数・戻り値共にString配列として扱います)。 この関数をVCSSLのコードから呼び出すには、TestPlugin.classを同じディレクトリに置き、以下のように記述します:
実行結果は「4.6」です。ところでGPCI経由の関数は、VCSSLからは任意型の可変長引数を持つと見なされます。 これはある意味強力ですが、引数の型・個数検査が効かないため、そのまま使うのは推奨できません。 例えば上の関数をbool型の引数1個でコールする事は、設計側の意図に明らかに反します。 適切なシグネチャを持つVCSSLの関数でラッピングして使うのが無難です: