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VCSSLをはじめよう ! - 実行環境の用意

最後に、VCSSLの実行環境を用意し、実際にプログラムを書いて実行してみましょう !

「 Hello, World ! 」と表示するプログラムを開発する

それでは、早速VCSSL のプログラムを開発します。まず、メモ用のものでも何でもよいので、何かテキストを書くソフトを起動してください。

そして以下のように、print("Hello, World !") ; と記述してみてください。

記述が完了したら、「 Test.vcssl 」という名前を付けて適当な場所に保存してください。なお、ファイルの種類を選べる場合は、「 すべてのファイル 」などを選択する必要があります。

ここで、保存したファイルの拡張子がちゃんと「 .vcssl 」になっているかご注意ください。

拡張子を表示するように設定すると便利
もし拡張子が表示されない場合、オペレーティングシステムの設定で、拡張子を表示するようにしておくと便利です。 設定方法は「 拡張子 表示 」などのキーワードでWeb 検索してください。

以上で、最初のプログラムは完成です。このプログラムは、画面に「 Hello, World ! 」とメッセージを表示する内容になっています。

つまりこのプログラムで実際に「 Hello, World ! 」と表示させる事ができれば、VCSSL プログラミングの環境が整った事になります。

それでは、環境を用意しましょう。

「 VCSSL ランタイム 」 の入手

VCSSL の最も標準的な実行環境は、「VCSSL ランタイム」です。この実行環境は各種デスクトップOSに対応し、インストール不要で使用できます。下記URL から入手して下さい。

VCSSLランタイムは、以下のように様々な使用方法があります。以下から環境や用途に応じて、自由に使用方法をご選択下さい。 全てを行う必要はありません。どれか一つでOKです。

Microsoft(R) Windows(R)にインストールして使用する場合
(インストールしない場合は次の項目参照)

VCSSL ランタイムは、Windows 環境であれば、付属のインストーラを用いて自動でインストール(セットアップ)する事ができます。

まずは、先ほどの配布ページ( vcssl.org )から「 いますぐダウンロード 」のボタンを押し、「 VCSSLランタイム(vcssl_〜〜〜.zip) 」をダウンロードして解凍してください。

そして、その中にあるインストーラ「 vcssl_setup.exe 」を実行するだけで、 ほぼ自動でインストール作業が完了し、VCSSL プログラムを実行できるようになります。

上のインストーラ「 vcssl_setup.exe 」は Windows Vista 以降の対応です。ご使用の環境が Windows XP の場合は、代わりに「 vcssl_setup_xp.exe 」を使用して下さい。

インストールが完了すると、拡張子が「 .vcssl 」のプログラムをダブルクリックで実行できるようになり、常用する場合に便利です。 また、スタートメニューやデスクトップに、ランタイムや簡易エディタを起動するアイコンも作成できます。

上で開発したサンプルプログラムの実行結果
黒い画面に白い文字で「 Hello, World ! 」と表示されます。

インストールが完了したら、先ほど開発したプログラム「 Test.vcssl 」をダブルクリックしてください。 黒い画面が起動し、「 Hello, World ! 」と表示されれば成功です。

インストールした上で、コマンドプロンプトから使用する場合は…

コマンドプロンプトなどからVCSSL を使用する場合は、環境変数 path に、インストール場所にあるbinフォルダ( 通常は C:\VCSSL\bin )を登録しておく必要があります。

Path の登録手順はWindows のバージョンによって微妙に異なるため、「 Windows 環境変数 Path 」などでWeb検索して下さい。

環境変数path に、インストール場所にあるbinフォルダ( C:\VCSSL\bin )を登録した後は、vcssl コマンドが使用できるようになります。vcssl コマンドの後に、以下のように続けてプログラム名を指定します:

vcssl Test.vcssl aaa bbb ccc

これで、Test.vcssl のmain 関数の引数に、 "aaa" "bbb" "ccc" を格納する配列が渡されます。

インストールしないで使用する場合(各種OS)

VCSSL ランタイムは、インストールしないで使用する事もできます。その場合、Windows 環境かそうでないかを問わず、同じ方法で使用できます。

まずは、先ほどの配布ページ( vcssl.org )から「 いますぐダウンロード 」のボタンを押し、「 VCSSLランタイム(vcssl_〜〜〜.zip) 」をダウンロードして解凍してください。

解凍した中にある「 VCSSL.jar (JAR 形式ファイル) 」をダブルクリックするとランタイムが起動します。

ここで先ほど開発したプログラム「 Test.vcssl 」を選択してください。黒い画面が起動し、「 Hello, World ! 」と表示されれば成功です。

上で開発したサンプルプログラムの実行結果
黒い画面に白い文字で「 Hello, World ! 」と表示されます。

この起動方法では、VCSSL プログラムをランタイムごとUSB フラッシュメモリーなどに入れて持ち運び、オペレーティングシステムの種類を問わずどこでも実行できます。

どこでも開発できて、実行環境ごと持ち運べて、どこでも動作
VCSSLのプログラムは、どこでも開発できて、USBメモリーなどで実行環境ごと持ち運べて、そしてどこでも動作します。

なお、この起動方法では、メモリー使用可能容量が限定されます。これを任意の容量に増やすには、Windows の場合は 「 VCSSL_*.*.*.bat (バッチファイル、*.*.*はバージョン番号) 」を用いて起動してください。それ以外では後のコマンド入力端末による方法をご利用ください。

またWindowsの場合、VCSSLプログラム( 例えば先ほどの Test.vcssl )を右クリックし、「 プログラムから開く 」または「 開く 」などを選択して、そこで上述のバッチファイルを指定して実行する事もできます。

さらに、拡張子が .vcssl のファイルを常にこのバッチファイルで開くように関連付けておけば、VCSSLプログラムをダブルクリックすると自動で実行できるようになり、便利です。

インストールせずに、コマンドプロンプトから使用する場合

Windowsにおいて、コマンドプロンプトなどからVCSSL を使用する場合は、環境変数 Path に、VCSSLランタイムの「 bin 」フォルダを登録しておく必要があります。

Path の登録手順はWindows のバージョンによって微妙に異なるため、「 Windows 環境変数 path 」などでWeb検索して下さい。

環境変数path にVCSSLランタイムの「 bin 」フォルダを登録した後は、vcssl コマンドが使用できるようになります。vcssl コマンドの後に、以下のように続けてプログラム名を指定します:

vcssl Test.vcssl aaa bbb ccc

これで、Test.vcssl のmain 関数の引数に、 "aaa" "bbb" "ccc" を格納する配列が渡されます。

bash系のコマンド入力端末(シェル)で使用する場合

bash 系シェルが用意されている環境では、以下のようにして、シェルからvcssl コマンドを使用できるように設定できます。Windows 以外でコマンド入力端末からVCSSL を使用するには、基本的にこの方法を用います。

方法については、VCSSLダウンロードページの説明をご参照下さい。

上手く起動できない場合は
- Java(R) のアップデート

VCSSL ランタイムが上手く起動しない場合は、Java のバージョンが古い可能性があります。 その場合、下記のJava 公式サイトにアクセスし、Java 実行環境を最新版にアップデートする必要があります。

上記URL から手動でアップデートする際は、あらかじめ古いJava 実行環境をすべてアンインストールしてから、最新版をインストールする事が必要となる場合があります。

VCSSLの基本画面 (VCSSL コンソール)

「 Test.vcssl 」を実行すると、画面に黒いウィンドウが表示され、白い文字で「 Hello, World !」と表示されます。

実行結果
黒い画面に白い文字で「 Hello, World ! 」と表示されます。

この黒い画面は「 VCSSLコンソール 」というもので、VCSSL プログラムの実行中に出現し、ここにメッセージなどを表示する事ができます。

VCSSL コンソールを閉じると、VCSSL プログラムの実行も終了します。なお、GUI を用いたプログラムでは、邪魔であれば非表示にする事もできます。

エラーメッセージ表示時には青色に

VCSSL コンソールには、自分でメッセージを表示するだけでなく、システム側からメッセージが表示される事もあります。

それはプログラム中に記述ミスがあった場合や、実行中にエラーが発生した場合などで、その内容に関連したシステムメッセージが表示されます。

システムメッセージの例
プログラムにエラーがあった場合などは、VCSSLコンソールにシステムメッセージが表示される。システムメッセージを表示している際には、VCSSLコンソールの背景色が青色になる。

システムメッセージを表示している際には、VCSSL コンソールの色が青色になります。

様々な実行環境

VCSSL には、上で解説したVCSSL ランタイム以外にも、様々な実行環境があります。最後に、主要な実行環境をご紹介します。用途に応じて適したものを選択してください。

VCSSL エディタ( VCSSL Editor )

VCSSLエディタ( VCSSL Editor )
VCSSLエディタは、ランタイムと一体化した簡易エディタです。VCSSLランタイムに同梱されています。

VCSSL エディタ(VCSSL Editor)は、VCSSL ランタイムに同梱されている、プログラム記述用の簡易エディタです。

シンプルなテキストエディタとランタイムが一体化したソフトで、プログラムを書いてすぐに実行する事ができるため、短いプログラムを手軽に記述するのに適しています。

インストール版VCSSL ランタイムでは、VCSSL Editor のアイコンから起動できます。通常版VCSSL ランタイムでは、「 VCSSL_Editor.jar 」 または 「 VCSSL_Editor_〜〜〜.bat(メモリー容量指定版) 」 で起動できます。

リニアンプロセッサー ( 関数電卓ソフト )

電卓ソフト「 リニアンプロセッサー 」用の言語として誕生
VCSSLは元々、電卓ソフト「 リニアンプロセッサー 」上で、ユーザー定義関数や数値計算プログラムなどを記述するための言語として誕生しました。

リニアンプロセッサー(RINEARN Processor)は、VCSSLの開発の元となった関数電卓ソフトです。

VCSSL のプログラムを開発・実行できるのはもちろん、VCSSL で記述した関数を、関数電卓の機能として使用する事ができます。 さらに、開発したプログラムをメニューバーに登録しておき、いつでもすぐに使用する事ができます。 VCSSL で書いた計算コードなどを、日常で使いたい場合に便利です。 なお、電卓向け機能だけでなく、常に最新版のVCSSL の機能がフルスペックで動作します。



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