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システム関数

ここでは、VCSSLの基礎的な機能を提供する、システム関数と定数を扱います。

システム関数

システム関数は、ユーザーが定義する関数とは異なり、VCSSL を処理するシステムによって、 標準でサポートされている関数です。

これまで扱ってきた内容でも、システム関数を何度も使っていました。 というのも、結果の出力に使用していた print 関数なども、全てシステム関数です。 つまり、VCSSL を処理するシステムと通信し、そのシステムの機能により画面出力を行っていたのです。

代表的なシステム関数

よく使用する代表的なシステム関数は以下の通りです:

システム関数 引数 詳細
print 任意型、任意個数 引数の内容をVCSSL コンソールに表示します。
println 任意型、任意個数 引数の内容をVCSSL コンソールに表示し、改行します。
output 任意型、任意個数 引数の内容を、結果出力用の端末に表示します。端末が存在しない場合、println 関数と同様の動作をします。
pop 任意型、任意個数 引数の内容をポップアップウィンドウに表示します。
input string型のメッセージ 引数の内容をメッセージウィンドウに表示します。
confirm string型のメッセージ ユーザーにYES/NO の選択を促します。結果をbool型で返します。
select string型の選択肢1,
string型の選択肢2,
string型の選択肢3
引数の中から1 個を選択するようユーザーに要求します。結果をstring 型で返します。
beep なし、またはint型の回数、またはint 型の回数と間隔 アラーム音を鳴らします。引数が1 個の場合は回数、2 個の場合は回数と間隔(ミリ秒)とみなされます。
choose string型のメッセージ ファイルまたはフォルダの選択をユーザーに要求し、ファイルの絶対パスをstring 型で返します。
sleep int 型の停止時間 プログラムを一定の時間だけ停止します。引数には、停止時間をミリ秒単位で指定してください。
exit なし プログラムの実行を終了します。
reset string型のプログラム名,
string 配列型のmain引数
現在実行中のプログラムを終了し、別のプログラムを実行します。一つめの引数には、別のプログラムの名称または相対パスを、二つめの引数にはmain関数コールの引数を指定してください。
eval string型の式内容 string 型変数の中身を式と見なし、処理した結果をstring 型配列で返します。
evaltr string型の式内容 eval 関数の処理過程を、string型配列で返します。※主にデバッグ用であり、内容は処理システムに依存します。
override string型の関数名,
string 型配列の引数型名,
string 型の関数内容
関数の処理内容を、プログラム実行中に変更します。2 つめの引数には、"int"や"float"など、引数の型を保持するstring 型配列を指定してください。3 つめの引数には、新しい関数の処理内容を、VCSSLプログラムの文法で記述したstring 変数を指定してください。
hide なし VCSSL コンソールを隠します(不可視化)。
show なし VCSSL コンソールを出現させます(可視化)。
clear なし コンソールの内容を全てクリアします。
save string型のファイルパス,
string 型の内容(省略可)
2 つめの引数の内容を、ファイルに出力します。内容の指定を省略した場合、コンソールの内容をファイルに出力します。
load なし、またはstring 型のファイルパス 指定されたファイルの内容を読み込み、string 型で返します。ファイルパスの指定を省略した場合、コンソールの内容を返します。
re vomplex 型または
varcomplex 型の、
実部を知りたい変数
複素数の実部を返します。
im vomplex 型または
varcomplex 型の、
虚部を知りたい変数
複素数の虚部を返します。
※ hide 関数を使用すると、VCSSL コンソールを閉じる事ができなくなり、 そのままではユーザーが手動でプログラムを終了させる手段が無くなるため、設計上の注意が必要です。 GUI を用いたプログラム等でhide 関数を使用する場合は、メインウィンドウを閉じた際に exit 関数をコールさせるなどして( onWindowClose イベントハンドラを用います )、 プログラム側から自身を終了させるように設計してください。

システム定数

システム関数と同様、システムによってあらかじめ定義されている定数値をシステム定数と呼びます。 システム定数には、機種依存の改行コードや、整数・小数の最大最小値など、不可欠な値が定義されています。

代表的なシステム定数

よく使用する代表的なシステム定数は以下の通りです:

システム定数 詳細
NULL 特別な型 無効な値です。文字列や構造体などは無効値を保持する事があり、その場合にNULL と比較するとtrue が得られます。代入する事も可能です。
なお、int 型との比較・代入に関しては、特例的に -1と等価な振る舞いをします。
EOL string 型 環境で使用されている標準的な改行コードです。
LF string 型 環境依存の改行コードLF ( 0x0A ) です。
CR string 型 環境依存の改行コードCR ( 0x0D ) です。
I complex 型 complex 型の虚数単位(0.0,1.0)です。
VCI varcomplex 型 varcomplex 型の虚数単位(0.0,1.0)です。
INT_MAX int 型 int 型の最大値です。
INT_MIN int 型 int 型の最小値です。
FLOAT_MAX float 型 float 型の最大値です。
FLOAT_MIN float 型 float 型の最小値です。


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