各種GUIコンポーネントの生成と配置
ここでは、GUIを構成する部品である、色々な種類のGUIコンポーネントの生成と配置を扱います。
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GUIコンポーネント
ウィンドウやボタンなど、GUIにおいて画面を構成する部品の事を、 一般にGUIコンポーネントと呼びます。
※このページの画像に掲載されているGUIコンポーネントのデザインは模式図です。実際のデザインは、オペレーティングシステムの種類や、VCSSL処理システムのバージョン、その他環境によって異なります。
GUIコンポーネントの生成
GUIコンポーネントの生成
VCSSLプログラム中で任意のGUIコンポーネントを生成するには、 new〜といった形の関数を呼び出します。 〜の部分には、newWindow関数やnewButton関数など、作成するGUIコンポーネントの種類に固有の名称が入ります。
- 関数仕様 -こういった関数をコールすると、 GUIコンポーネントが生成され、それに割り当てられたGUIコンポーネントIDが返されます。
GUIコンポーネントID
GUIコンポーネントIDとは、全てのGUIコンポーネントに割り振られる識別番号です。 つまりVCSSL処理システムにとっての、GUIコンポーネントの名前のようなものです。
GUIコンポーネントIDは、そのままでは数字で分かり辛いので、通常はint型の変数に入れて使用します。
GUIコンポーネントの配置
GUIコンポーネントは、いくつも組み合わせて使用します。 その土台となるのがウィンドウです。 その上にボタンやラベル、入力項目などを作成して配置し、 一般的なGUIソフトウェアの形となります。
このように、GUIコンポーネントの上に、 別のGUIコンポーネントを配置するには、mountComponent関数を使用します。
- 関数仕様 -この関数をコールすると、 GUIコンポーネント上に別のGUIコンポーネントが配置されます。 引数childIDには配置するGUIコンポーネントのIDを、 続く引数parentIDには配置先GUIコンポーネントのIDを指定します。 つまり、parentIDの上にchildIDを配置します。
なお、VCSSL3.0以前の世代では、配置にはaddComponent関数を使用していました。 しかし、add〜という関数名としては引数の順序が混乱を招くという理由により、 VCSSL3.1以降では、関数名を上記のmountComponentに変えたものが追加されました。 つまりaddComponent関数とmountComponent関数は、 名称が異なるだけで全く同一のものです。
各種GUIコンポーネント
ウィンドウの作成
GUI開発において最初に作成するのが、ウィンドウです。 ウィンドウを作成するには、newWindow関数を呼び出します。 この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -引数のxとyでウィンドウ左上頂点の座標を指定し、 widthとheightでウィンドウの幅と高さを指定します。 また、引数titleでウィンドウのタイトルバー表示文字列を指定します。
ボタンの作成
続いて扱うボタンは、頻繁に使用される代表的なGUIコンポーネントです。 ボタンを作成するには、newButton関数を呼び出します。この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -引数には、 xとyでボタン左上頂点の座標を指定し、 widthとheightでボタンの幅と高さを指定します。 最後の引数textには、ボタンに表示する文字列を指定します。
テキストフィールドの作成
次に、文字列を入力する一行の入力項目、テキストフィールドの作成です。 こちらもボタンと並ぶ、代表的なGUIコンポーネントの一つです。 テキストフィールドを作成するには、newTextField関数を呼び出します。 この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -引数には、 xとyでテキストフィールド左上頂点の座標を指定し、 widthとheightでテキストフィールドの幅と高さを指定します。 最後の引数textには、項目に初期状態で表示する文字列を指定します。
テキストエリアの作成
続いて、文字列を入力する広い領域、テキストエリアの作成です。 テキストエリアはテキストフィールドと違い、複数行の文章を表示/入力する事が可能です。 テキストエリアを作成するには、newTextArea関数を呼び出します。 この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -引数には、 xとyでテキストエリア左上頂点の座標を指定し、 widthとheightでテキストエリアの幅と高さを指定します。 最後の引数textには、項目に初期状態で表示する文字列を指定します。
セレクトフィールドの作成
ユーザーに自由に文字列を入力してもらうのではなく、 いくつかの候補の中から選択してほしい場合には、セレクトフィールドを使用します。 セレクトフィールドを作成するには、newSelectField関数を呼び出します。 この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -引数には、 xとyでセレクトフィールド左上頂点の座標を指定し、 widthとheightでセレクトフィールドの幅と高さを指定します。 最後の引数textには、項目に初期状態で表示する選択項目をstring型の配列で指定します。
チェックボックスの作成
ユーザーにON/OFFの2択を提示するには、チェックボックスを使用します。 チェックボックスを作成するには、newCheckBox関数を呼び出します。 この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -引数には、 xとyでチェックボックス左上頂点の座標を指定し、 widthとheightでチェックボックスの幅と高さを指定します。 続く引数textには、チェックボックスに表示するテキストを指定します。 最後のbには、初期状態でのON/OFF状態を指定します。
テキストラベルの作成
画面上に文字列を埋め込んで表示するには、テキストラベルを使用します。 テキストラベルの作成にはnewTextLabel関数を呼び出します。 この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -引数には、 xとyでテキストラベル左上頂点の座標を指定し、widthとheightでテキストラベルの幅と高さを指定します。続く引数textには、テキストラベルに表示するテキストを指定します。
画像ラベルの作成
続いて、画面上にグラフィックス関連の内容(描画内容や画像など)を表示する方法を扱います。
それにはまず準備として、VCSSLプログラム中で「グラフィックスデータ」を作成する必要があります。 グラフィックスデータとは、描画内容や画像を扱うためのデータで、 いわば画用紙のようなものです。全くの白紙から作成する事も可能ですが、 ここでは画像ファイルから読み込みましょう。
Graphics ライブラリのインポート
画像ファイルを読み込んでグラフィックスデータを作成するには、 まず、VCSSL標準ライブラリの一つであるGraphicsライブラリを インポートする必要があります:
Graphicsライブラリは、 VCSSLでグラフィックスデータを扱うための基盤となるライブラリです。 別のライブラリと連携してグラフィックスデータを動的に生成したり、 画像ファイルから読み込んだり、 逆にグラフィックスデータを画像ファイルに出力するなどの機能が用意されています。
画像ファイルの読み込み
画像ファイルからグラフィックスデータを生成するには、 newGraphics関数を呼び出します。この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -この関数は、 引数に指定された場所から画像ファイルを読み込んでグラフィックスデータを生成し、 グラフィックスデータIDを戻り値として返します。 グラフィックスデータIDとは、グラフィックスデータに割り振られる識別番号です。
このnewGraphics関数の引数filePathには、読み込む画像ファイルの場所を、 実行モジュールから見た相対パスで指定します。 画像ファイルが実行モジュールと同じ場所にある場合には、 画像ファイル名だけで読み込み可能です。 読み込みが可能な画像形式は、環境やバージョンによって異なります。 PNG形式の画像ファイルは、大抵の環境で読み込む事が可能なので、 機種依存性を回避したい場合には、PNG形式画像の使用が推奨されます。
画像ラベルの作成
ここまでで準備は終了です。読み込んだグラフィックスデータを画面上に表示するには、 画像ラベルというGUIコンポーネントを使用します。 画像ラベルの作成にはnewImageLabel関数を呼び出します。 この関数は以下の仕様を持っています。
- 関数仕様 -引数には、 xとyで画像ラベル左上頂点の座標を指定し、 widthとheightで画像ラベルの幅と高さを指定します。 最後の引数grarphicsIDには、表示対象のグラフィックスデータIDを指定します。
プログラム例
これまでに扱った各種GUIコンポーネントを、 実際に使用してみましょう。下記のように記述し、実行してみてください。
このプログラムを実行すると、ウィンドウが起動し、その上に様々なGUIコンポーネントが表示されます。