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画面射影

ここでは、ベクトルの画面射影を扱います。 画面射影により、3D空間上の任意の位置に対応する、 グラフィックスデータ上のX、Y座標 (ウィンドウ座標)を得る事ができます。

画面射影

ベクトルの画面射影

3D 空間中の位置が、描画領域上のどの位置に対応しているかを知りたい場合には、画面射影を行います。 3D 空間に配置したベクトルに対して画面射影を行う事で、 描画領域上でそのベクトルに対応する位置の、 X 座標と Y 座標(いわゆるウィンドウ座標)を得る事ができます。

得られる座標は左下が原点

ここで注意が必要なのが、描画領域上の原点位置です。

3DCG以外の分野では、描画領域上の左上を原点とするのが一般的です。 しかし、右手座標系を採用する一部の3DCGの分野では、 様々な事情により、描画領域の左下を原点とする事がよくあります (もちろん従来通り左上が原点の場合もあります)。 VCSSL Graphics3Dでも右手座標系を採用しているため、 描画領域の左下が原点と見なされます。

結果として、 VCSSL GUIやVCSSL Graphics2Dでは左上が原点であるのに対し、 VCSSL Graphics3Dでのみ左下が原点となります。 従ってこれらを連携させる場合には、 この違いに少し注意が必要となります。

ベクトルの画面射影

X座標を得る

ベクトルに対して画面射影を行い、 描画領域上のX座標を得るには、projectVectorX関数を使用します。

- 関数仕様 -

int projectVectorX ( int vectorID, int rendererID )

最初の引数vectorIDには、画面射影を行うベクトルのIDを指定します。 続く引数rendererIDには、レンダラーのIDを指定します。

Y座標を得る

ベクトルに対して画面射影を行い、描画領域上のY座標を得るには、 projectVectorY関数を使用します。

最初の引数vectorIDには、画面射影を行うベクトルのIDを指定します。 続く引数rendererIDには、レンダラーのIDを指定します。

プログラム例

実際にワールド座標系の原点が、 描画領域上のどこに相当するかを取得してみましょう。 以下のように記述し、実行してみてください。

このプログラムを実行すると、VCSSLコンソールに 「 X=391, Y=277 」 などと表示されます(値は環境やバージョン等に依存します)。 これはちょうど描画領域の中心における座標になっています。 なお、ここで使用しているフレームワークGraphics3DFrameworkにおける、 ウィンドウ上の描画領域のGUIコンポネントIDは、getImageLabel( ) 関数で取得できます。



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