レンダラーの生成
2DCG における基本的な作業は、「 レンダラー(描画エンジン) 」というものを操作し、 「グラフィックスデータ」を加工していくといった流れの繰り返しになります。 ここでは、これら2 つの重要な概念について解説します。
グラフィックスデータとレンダラー
VCSSLで2DCGを扱うには、描画内容を扱うデータ「グラフィックスデータ」と、 「レンダラー(描画エンジン)」というものについて理解しておく必要があります。 しかし、あまり難しいものではありません。
描画内容を扱うデータ - グラフィックスデータ
例えば現実世界で絵を描くには、絵の内容を保持するための画用紙や、 描くためのペンをはじめ、様々なものが必要です。 プログラミングによる描画でもこれらに相当するものが必要で、 言語や環境によって異なりますが、イメージ、バッファ、グラフィックスコンテキスト といったものが必要です。VCSSLでは、これらを一つにまとめて扱います。 これを「グラフィックスデータ」と呼びます。
つまるところ、絵を描くために必要なものが付属した、すぐに使える画用紙のようなものです。
レンダラー( 描画エンジン )
レンダラー( 描画エンジン )とは、グラフィックスデータに対して、 高度な絵を描き込むためのものです。 原理的にはグラフィックスデータだけでも描画は可能ですが、 レンダラーを使用したほうが高度な描画が可能です。
つまるところ、「絵を描く人」のようなものです。 レンダラーには2DCG用と3DCG用が存在します。 平面的な絵が上手い人と、立体的な絵が上手い人が居るわけです。
グラフィックスデータの生成
まず、2DCG で描画するグラフィックスデータを生成します。 これにはGraphics ライブラリのnewGraphics 関数を使用します。
- 関数仕様 -この関数は、引数を何も指定しなかった場合、 何も描かれていない空白の内容を保持するメモリー領域を確保し、 グラフィックスデータIDを返します。 グラフィックスデータIDとは、 グラフィックスデータに割り振られる固有の識別番号です。
レンダラー(描画エンジン)の生成
上のnewGraphics関数で生成したグラフィックスデータは、 空白で何も絵がありません。 そこで、このグラフィックスデータに2DCGを描画するためのレンダラー(描画エンジン)を生成します。 これにはnewGraphics2DRenderer関数を使用します。
- 関数仕様 -引数のwidthとheightで描画する絵の大きさを、 graphicsIDで描画対象のグラフィックスデータIDを指定します。 このgraphicsIDには、newGraphics関数で確保したものを指定します。
プログラム例
それでは実際にレンダラーを生成してみましょう。 以下のようにプログラムを記述し、実行してみてください。
このプログラムを実行すると、 レンダラーやグラフィックスデータは準備されますが、 まだ画面には何も表示されません。 それは、グラフィックスデータを表示する画面をまだ作成していないからです。 引き続き、表示画面の準備を行いましょう。